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ゴロゴロ角切り牛肉のおいしいカレー

ビーフカレー

サイコロ状のゴロゴロ牛肉のカレーは、食べ応えも抜群でおいしいですよね。
けれど角切り肉は家庭で調理するとどうも固くなってしまいがち…
お肉の食感はおいしさに大きな影響を及ぼします。
特に日本においては、「柔らかい牛肉がおいしい」という方が大多数を占めます。

肉類が硬くなるのは、加熱によって筋原線維たんぱく質とコラーゲンが変質し、凝固、収縮してしまうことが原因です。
普段購入するカレー・シチュー用の肉は基本的に筋繊維がしっかりしている傾向があります。
そのために食感が固かったり、パサパサしたものになってしまいます。
ではどうすればゴロゴロ角切り牛肉を柔らかく、おいしくカレーにできるのでしょうか?

5つのコツ

お肉を柔らかくする方法として、主に5つのコツがあります。

  1. 叩く、筋を切る方法
  2. タンパク質分解酵素が含まれた食材に漬け込む方法
  3. 乳酸の力で柔らかくする方法
  4. 炭酸を使う方法
  5. お酒を使う方法

これらの中のひとつはどこかで見聞きしたことがあるかもしれませんね。
今日は上記5つに加えて、「砂糖」を使ったやり方もご紹介していきます。
とても簡単ですので、どうぞ最後までご覧になってください。

叩く・切る・刺す

切るときは脂肪と赤身の間にある繊維を包丁の先で2、3箇所切ります。繊維に対して直角に切れ目を入れましょう。
そして肉叩きでお肉を縦横に叩きます。
ミートハンマーがなくても、包丁の背や麺棒で軽く全体的にトントントンと叩きます。強く叩き過ぎると、火を通すとき旨味を逃がしてしまいます。
叩いていて固い筋が見つかったら、その部分に包丁で切り込みを入れましょう。

刺す場合はフォークでトントン差しますが、叩くと同様やり過ぎないこと
加熱によるお肉の縮みや反り返りを防いだり、調味料の馴染みが良くなります。

タンパク質分解酵素の力

マーマレード

酵素がタンパク質を分解してお肉を柔らかくします。マーマレード、キウイ、すりおろしりんご、玉ねぎ、舞茸やシイタケのみじん切り。塩麹やレモン麹。

ジップロック等や密閉容器に入れてひと晩漬け込めば、お肉が柔らかくなってくれます。
それぞれカレーの隠し味として利用できるので無駄もありません。

乳酸の力

コップに注がれた牛乳

牛乳・ヨーグルトに浸します。
乳製品の乳酸がお肉の繊維質をほぐし、柔らかくしてくれます。
漬け込む時間は30分~1時間ほどと時短にもなりますね。
ヨーグルトは肉に酸味が残るので拭き取ってください。

炭酸の力

炭酸水

ビール・コーラ・炭酸水に浸けます。蓋付きの容器かラップを使い、炭酸が逃げないようにしましょう。
カレーの煮汁に使えば隠し味になります。炭酸水ならシチューにも使えます。
コーラなどの炭酸に10分ほどお肉を漬けておくだけ!

炭酸に含まれる炭酸水素ナトリウムが、お肉に含まれる余分なたんぱく質を灰汁として溶かしてくれます
さらに、炭酸水素ナトリウムには、お肉の臭みを取る効果も期待できます。

お酒の力

グラスに注がれたビール

タンパク質のph濃度を下げる(酸性にする)ことによって,保水量を高め柔らかくしてくれます。
ph濃度とは水溶液中の水素イオン濃度を示すもので,値が小さいほど酸性,値が大きいほどアルカリ性です。
お肉のタンパク質は概してph5前後とほんの少し酸性であることが多いようです。

一方で、タンパク質の保水量はph濃度によって変化します。
この保水量自体はph5付近で最低となっており,ここから酸性にしようがアルカリ性にしようが保水量が増します。
したがって、phが5でない溶液にお肉を浸けてあげればお肉は柔らかくなります

使用するお酒はビール、日本酒、料理酒、ワインなどお好きなもので大丈夫です。
手頃に手に入りやすいのは料理酒やワインですね。
Ph値も3前後とちょうど良く、旨味もコクもあります。ワインはカレーの隠し味にもなり一石二鳥です。
また、ブランデーやウイスキーを使うと、ひと味違った風味がつくので、お好みで試ししてみてはいかがでしょうか。

砂糖でお肉を柔らか?!

角砂糖

さてお待たせいたしました。
今回一番ご紹介したかった「砂糖」を使った牛肉を柔らかくする方法です。

砂糖には、お肉に含まれているたんぱく質と水分とを結びつける働きがあります。下ごしらえの段階でお肉に少量の砂糖をもみこむと、仕上がりの口当たりがよく、お肉が柔らかくなります。

牛肉100gに対し小さじ1杯程度の砂糖を使います。
お肉に砂糖をまぶして、じゅうぶんにもみこみます。
砂糖の甘味はほとんど影響しないので、洗い流さなくても大丈夫ですよ。
しばらく寝かせておくとなじむので、あとは普段通りカレーに使用してください。
煮込む時間も通常通りで大丈夫です。

ではなぜ砂糖でお肉が柔らかくなるのでしょう?

砂糖には、上記に記した通り、お肉に含まれているたんぱく質と水分とを結びつける働きがあります
下ごしらえの段階で肉に砂糖をもみ込むことで、お肉が柔らかくなり、仕上がりの口当たりもよくなります。調理の10分程前に揉みこむだけでOK!
砂糖の浸透圧で旨味のもとである肉汁が流れ出しにくくなり、しっとりとやわらかく、ジューシーな仕上がりになります。

いかがでしたか?
ご家庭で、ゴロゴロ角切り牛肉のカレーを、是非とも堪能してみてください!

国産和牛は、柔らかく脂がサラサラとして食べやすい、大喜屋のお肉がオススメです。