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大手牛丼チェーン毎の、こだわり牛肉仕入国!!

「吉野家」「すき家」「松屋」「なか卯」などの大手牛丼チェーン店。
早くて・安くて・美味しく、手軽に食べられるので私も大好きですし、いつも助かってます!
今回は、それぞれの店の特徴と、牛丼に必要不可欠な牛肉の仕入れ国などについてご紹介していきます!!

まずは、牛丼と言えばやっぱりここ!「吉野家」です!

牛丼

吉野家の歴史

吉野家は、1899年(明治32年)に東京の日本橋にあった魚市場で創業されます。
吉野家という名前は、創業者である松田栄吉が現在の大阪市福島区吉野の出身だった事から名づけられました。
お客様のほとんどは魚市場に出入りする業者や職員だったので、なるべく早く提供できように、そして美味しい物をお腹いっぱい食べてもらえるように、その時代ではまだ高級だった牛肉とご飯を、更に上等な有田焼の器で売り出したのです。この時からスピード重視のサービスは始まっています。ただ価格は今と違い、鰻重レベルの価格でした。
その後、震災、東京大空襲や戦争を経ても諦めず、その度に商売を再開していきます。
1952年には24時間営業にも挑戦し、味の改良や食材の仕入れの安定化など、様々な改革の後、現在の「安さ」や「美味さ」に繋がります。

吉野家の牛丼

吉野家では、「秘伝のタレ」が存在し、そのタレと最も相性のいい穀物肥育の北米産牛肉の「ショートプレート(バラ肉)」という部位を使用しています。「ショートプレート」とは、牛1頭当たりから約10gしか取れず、赤身と脂身のバランスが6対4という、牛丼にピッタリの甘味とまろやかな肉質をしています。
また、穀物のみで牛を育てるため、牧草で育つ牛よりも肉の臭みが少なくなります。

吉野家の牛肉の仕入れ国

アメリカ産・カナダ産の2か国です。と言っても、ほとんどの割合がアメリカ産になります。18℃以下の冷凍状態でアメリカ・カナダから輸入し、その後14日間の熟成解凍を行います。これにより、肉のたんぱく質をアミノ酸に変化させ、肉の旨味を大幅に引き出せるのです。そして、肉の厚みにもこだわりがあり、試行錯誤の結果1.3mmが牛丼に最適だと分かったそうです。

次に、吉野家と一二を争う、「すき家」です!

紅生姜が盛り付けられた牛丼

すき家の歴史

すき家は、牛丼チェーン店の中で最も多くの店舗数を誇ります。
すき家のルーツは、1982年に開店した「ランチボックス生姜店」から始まり、同年11月に1号店の「すき家生姜駅前店」が開店されました。その名の由来は色々ありますが、「すき焼き」からヒントを得ていたり、皆から愛される「好き」という意味合いもあるそうです。
従来の牛丼店との違いは、自動車での利用客を想定し、郊外の幹線道路沿いなどの立地を主軸にしている点です。他にも、カウンター席だけでなく、テーブル席を設け、ファミリー層も早々とターゲットにしています。ドライブスルーの設置やショッピングセンターのフードコート内出店などにも積極的で、このような取り組みが店舗数No.1に繋がるのでしょう。海外にも店舗があり、中国・ブラジル・タイなどに進出しています。
また、牛丼自体にも特徴があり、牛丼にトッピングできるようにメニューを用意しだしたり、カレーライスなど牛丼以外にも多くのメニューを用意していきました。

すき家の牛丼

創業から牛肉の食感や食べ応え、牛肉と玉ねぎのバランス、タレとの相性など研究を重ねてきたそうです。肉のカット方法も工夫して、タレとの絡み具合を良くしています。タレの配合は社内でも数人しか知らない極秘事項となっています。
玉ねぎを煮ることで牛肉の臭みを消し、ベストの美味しさを提供するために、10分ごとの入店予測をして肉の旨味が広がった頃合いにできるよう計算されています。

すき家の牛肉の仕入国

アメリカ産・オーストラリア産がほとんどを占め、他にもニュージーランド産やカナダ産もありますが、僅かな割合です。安定供給ができるように1つの国に絞らないようにしています。社員が直接生産地に足を運び、安全で品質の良い物を選んでいきます。
牛肉を輸入する際の船が着く港に、直結の冷蔵保管庫があり、そこが加工工場となっています。そこで毎日必要な分だけスライスし、各店舗に素早く配送が可能です。衛生面にも配慮し、できたものをなるべく早く店舗へ運ぶ取り組みをしています。

3つ目は、「松屋」です!

牛丼

松屋の歴史

1966年、創業者の瓦葺利夫が中華飯店として開店しました。2年後、牛めし・焼肉定食店「松屋」が誕生します。松屋の凄い所は、開店当初から現在の牛丼のスタイルが出来上がっていた事です。牛丼専門店の中でも早い段階だと思います。その後、全国各地に店舗が広がり、会社名は「松屋フーズ」に変更となります。
海外進出も行い、中国・上海・ニューヨークへの出店を果たします。東南アジアへの進出も計画中で、経営スタイルも積極的です。
売り上げや店舗数は吉野家やすき家に押され気味ではありますが、コストパフォーマンスには力を入れており、価格の安さと、味噌汁がセットで付いてくるなど工夫がされています。また、お米や味噌汁の味噌などは国産の物を使用するなど、安心感があります。

松屋の牛丼

2014年に関東地方で発売を開始した「プレミアム牛めし」は看板商品となりました。見た目は他の牛丼と変わりはないのですが、品質の良さが評判です。使用する牛肉を冷凍保存からチルド保存に変えた事で、味わいが新鮮な状態で保たれるようになりました。タレの材料も、化学調味料・合成保存料・人工甘味料・人工着色料など使っておらず、安心・安全です。

松屋の牛肉の仕入国

アメリカ産・カナダ産ですが、こちらもほとんどの割合がアメリカ産です。オーストラリア産と比べると、旨味の素となるグルタミン酸などのアミノ酸量が約30%も多く、肉質も柔らかいため、アメリカ産にこだわって使用しているそうです。
また、吉野家と同じく、「ショートプレート(バラ肉)」を使用しています。肉の厚みは松屋の場合、1.15~1.2mmに設定しています。

最後は「なか卯」です!

牛丼

なか卯の歴史

1969年に大阪でうどん店を創業したのが始まりです。名前の由来は、創業者の中野一夫の姓から「なか」と、「うどん屋」の「う」を「卯」に変えて名付けました。
なか卯は、丼・うどんがメインメニューとなるお店です。今までご紹介してきたチェーン店の中でも、私個人としては「うどん」が印象的なお店でした。もちろん牛丼にも力を入れているお店ではありますが、その理由として、すき家との差別化にあります。実は、なか卯とすき家の母体は、同じゼンショーホールディングスという外食産業の会社なので、違いを出すために同じ牛丼という形ではなく、牛丼をすき焼き風にアレンジした「和風牛丼」を発売したのです。また、それにプラスして「うどん」や「親子丼」にも力を入れるようになりました。

なか卯の牛丼

現在のなか卯の和風牛丼は、牛肉と玉ねぎというシンプルな物に変化しましたが、以前は他店と違い、白ネギと糸こんにゃくが入った、すき焼きにより近い物でした。
熱々のご飯の上に、すき焼きのような甘じょっぱく、優しくて家庭的な懐かしみのある味わいが広がります。自慢の「出汁」が利いた甘めのタレで、卵やうどんとの相性も抜群です。

なか卯の牛肉の仕入国

すき家と同じゼンショーグループですので、仕入国も同じくアメリカ産とオーストラリア産になります。ゼンショーグループでは、国が定めた基準よりも厳しい安全管理基準が設けられているので、安心して食べられますね。
和風牛丼の肉も、脂身の割合や質、肉の厚みが味わいを左右するので、その点にこだわった研究を続けているようです。

いかがでしたか?私たちが普段お手軽に食べている牛丼ですが、それぞれのチェーン店では様々な改良や工夫がされているのが分かりますよね!仕入国にも各店のこだわりがあり、肉質や加工法、衛生面など、主役の牛肉をいかに安全に美味しく生かすかがよく考えられていて、牛丼チェーン店が長く愛される理由なんだと感じました!!

国産和牛は、柔らかく脂がサラサラとして食べやすい、大喜屋のお肉がオススメです。