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お肉を炭火で焼くとなぜおいしい?

焼き鳥

「炭火焼肉」!
この言葉を耳にしたり目にしたりするだけで、思わずのどが鳴って「おいしそう」「食べたい!」という気持ちになったりしませんか?

炭火で焼いたお肉はおいしそう…そんなふうに「なんとなく」感じてしまいますが、実際お肉を炭火で焼くとガス火やホットプレートで焼くよりもおいしくなるちゃんとした理由があるんです。

どうして炭火で焼くと、お肉がおいしく焼けるのでしょうか?

遠赤外線と輻射熱

炭火

まず、炭火での加熱は、ガスでの加熱よりも赤外線発生量が4倍になります。
ガス火は約2KW、炭火は約8KWです。
炭は火をつけると300℃以上になり、あおぐことによって1000℃近くまで上がるので、ガス火に比べ4倍の赤外線を発します。

なぜ赤外線量が多いと良いのか?

赤外線というのは電磁波のため、じっくりと食材の中に火を通します。
電磁波というと電子レンジと同じでは?とお思いかもしれませんが、レンジは「中からも外からも同時に加熱」するのに対し、炭火焼きの場合、赤外線による熱が当たったところ、つまり表面に常に供給され続けます。

お肉には赤外線による輻射熱がどんどん供給されるため、内部の水分を保ったまま表面はカリッと仕上がります。赤外線が当たっていれば、多少のでこぼこがあっても表面全体をムラなく焼くことができます。
食材表面に当たる熱がガスに比べ一定のため、表面から伝導する熱量も比較的高くなり、さらに内部まで火が通りやすくなります。

ガス火との大きな違いは先に書いた「輻射熱」での加熱という点です。
(輻射熱とは……遠赤外線によって直接伝わる熱の事。高温の固体表面から低温の固体表面に、その間の空気その他の気体の存在に関係なく、 直接電磁波の形で伝わる伝わり方を輻射といい、その熱を輻射熱という。例:太陽光や薪ストーブ、オイルヒーター)

ガスは対流と熱伝導で加熱するのに対し、炭火は輻射熱で加熱されます。
わかりやすく言うと、ガス火はうちわであおぐと熱は風で流れていきますが、炭火はあおいでも風の影響を受けずにうちわに向かって飛んできて手が熱くなります。
この輻射熱による加熱は、短時間でムラなくカリっと焼けるのです。

また、ガスには水分が含まれていますが、炭には水分がないので、表面がパリッとして中がふっくら柔らかく仕上がります。
特に肉料理では、表面が早く焼けることで肉汁が逃げるのを防ぐことができるのも大きな理由です。

ガスには水蒸気(水分)が含まれているのでカリっと仕上がりにくい、その点炭は水分を含まないのでお肉をからっと焼き上げることができます。
ガスだと火が当たっている部分だけが極度に加熱されるので、その部分を中心に肉汁が出てしまったり、一緒に旨味成分も流れ出してしまうという結果にもなります。

お肉の旨味成分であるグルタミン酸ですが、炭火焼のほうがガス火よりもそのグルタミン酸が0.5倍ほど多くなるそうです。
炭火焼き肉がおいしく感じるにはいろいろな理由があったんですね。

香り

炭火でじっくり焼かれている焼き鳥

中には炭火焼の香りが好きだという方もいらっしゃると思います。
炭火で焼いているときに漂ってくる香りに食欲を刺激されることもあるようです。
この炭火の香りは、お肉から落ちる脂などが炭に落ちることによって出てくる煙によって香ってくるものです。
上質の炭には旨味成分である有機酸類やミネラル成分が豊富に含まれていて、煙としてお肉に付着することで「燻製効果」で香りと旨味をさらに引き立てるそうです。
いわゆる「燻されたような香り」です。
これはガスやホットプレートでは得られないおいしさのひとつですね。

炭は上質なもののほうがこの香りの効果はもちろん良いものになります。
炭火の焼肉店で食べる以外に、バーベキューや七輪でお肉を焼いて食べる際には、是非炭選びにもこだわってみることをおすすめします。

また、焼肉のタレの中にも、「炭火焼肉風」と謳ったものも販売されていますので、試してみてはいかがでしょうか?

まとめ

  • 炭火で焼いたお肉がおいしい理由の80%は赤外線によるものである。
  • 炭に落ちた脂分などから漂う香りがいい風味を出す。
  • 火力の強さ。
  • 輻射熱での熱伝導。
  • 炭には水分を含まれていないことで表面がカリっと中がふっくら仕上がる。
  • 表面が素早く加熱され凝固するので肉汁や旨味が逃げにくい。
  • 上質の炭に含まれる有機酸類やミネラル成分がお肉に付着する。

上質な炭の代表格といえば「備長炭」が有名です。
ホームセンターなどでよく売られている黒炭、いわゆる木炭は、マングローブの木が使われているので、着火しやすく初心者向けですが、酸っぱい匂いがしやすくお肉に移ってしまうかもしれないので、香りを楽しみたい方には備長炭やオガ炭がおすすめです。

いかがでしたか?
炭火で焼いた焼肉がおいしく感じるのには、明確な理由があったのですね。

焼肉店を選ぶ時も、ご自身でバーベキューや焼肉をする時も、この記事を参考に、使っている炭の種類を意識してみるとよりおいしい焼肉に出会えるかもしれません。

国産和牛は、柔らかく脂がサラサラとして食べやすい、大喜屋のお肉がオススメです。