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おいしい牛肉の選び方

牛肉

皆さん、スーパーで牛肉を買う時、どのように選んでいますか?
消費期限の長いものでしょうか?見た目でしょうか?
「見た目」と言っても、どんな見た目のものがよりおいしいのか、厳密に知っているという方はどのくらいいらっしゃるでしょうか?
今回は国産牛と和牛に限定して、できるだけ簡単に、美味しい牛肉を選ぶ方法をいくつかご紹介したいと思います。

その前にまずは国産牛と和牛は実は「別物」であるということを知っておいてください。
国産牛=和牛ではないのです。

和牛と国産牛の違い

考える女性

和牛と呼ばれるものは日本で4種類です。
まずはよく耳にする「黒毛和種」、そして「褐毛和種(あかげわしゅ)」、3つ目は「無角和種」、最後に「日本短角種」となります。

黒毛和種

近江牛、松坂牛や神戸牛などに代表される、サシの入りやすい高級で有名な和牛。

褐毛和種

脂身が少ない赤身がおいしい和牛。

無角和種

山口県の一部のみで飼われている、角のない和牛。低脂肪で肉の旨味が際立っている。

日本短角種

岩手の短角牛が有名。低脂肪で肉の香りが一番強いのが特徴。

そして国産牛ですが、日本国内で最も長く飼われていた牛を国産牛と呼び、たとえその牛が外国から輸入されたものであっても、出生国よりも日本での飼育期間が長ければ「国産牛」と呼ばれます。もちろん和牛も国産牛と言えるのですが、一般的に国産牛という表記で売られているものは、乳が出なくなった牛と他の和牛の交雑種であることがほとんどです。

等級

牛肉

ブランド牛である和牛がおいしいと言われているのは皆さんご存じでしょうが、国産牛に関してはどうでしょう。輸入牛よりも高くておいしい、という認識はおありかと思いますが、いろいろな牛の交雑種であることから、選び方によってはおいしさが異なってきます。
そんな時に、よくA5ランクならおいしいだろう、など、牛肉の等級を目安にする方法もありますが、等級とは実は、おいしさのランクではないのです。

牛肉の等級のA~Cというのは、骨や内臓や筋を取り除き、肉として販売できる部分がどれだけあるかというランクのこと。1~5というのはサシがどのくらいか、色合いはどうなのか、カラーチャートの基準に当てはめて分類した肉質でのランクです。
A5が最上級となりますが、だからといって必ずしも一番おいしいかというと、そうではないのですね。格付けの指標からもそう言えますし、誰しもがサシがたくさん入ったお肉が一番好きだとも限らないですから。

オスかメスか

次にオスとメスでの違い。
牛も人間と同じく、オスのほうが筋肉質ですので、食感や歯切れの良さはメスのほうが柔らかいです。また、同じメスでも経産牛と未産牛ではまったく肉質が違います。未産牛のほうがキメが細かく、市場価格も一般的に高いです。

若い牛かどうか

また「若いお肉かどうか」も判断材料になります。
若い牛肉は淡い赤色、年をとった牛肉は濃い赤色をしています。
牛肉は白に近い赤ほど若くおいしいと言われています。ただし、パックの中でお肉同士が重なっている部分が黒いのは、気にしなくて大丈夫です。
牛肉とは元は少し黒く、スライスした時空気に触れることによって鮮やかな赤に変色していきます。つまりこの場合、空気に触れずに黒いままを保っているということですので、むしろ新鮮な、酸化していない状態だからです。

乾燥していないか

見た目が乾燥しているお肉は言うまでもなくおいしくなくなっています。
艶がなかったり、色がくすんでいたり、脂身部分が厚く固いものは避けましょう。

ドリップ

パッケージを傾けてみて赤い汁(ドリップ)が垂れてくるものは、鮮度が落ちて旨味が抜けているので確認してみましょう。

サシの入り方

霜降り肉

サシのキメが細かいほど、口当たりの柔らかい牛肉になります。
中には噛みごたえのある牛肉のほうが好きだという方もいらっしゃると思いますが、そのような方は逆のものを選ぶと良いでしょう。
同じ脂の量なら、大理石のようなきめ細かいサシが入っている牛肉のほうが柔らかく、脂身と赤身の境目がハッキリしているほうが新鮮なお肉になります。
もちろん部位によって脂の量やサシの入り方、固さも変わります。
ほとんど脂肪のないヒレ肉ですが、それはそれで最高においしい赤身肉です。

熟成期間

牛肉はある程度熟成させたほうが、タンパク質が旨味成分であるアミノ酸に分解されて、柔らかく香ばしく、味わい深くなります。
おいしい牛肉の味というくくりでは、一般的である10日間前後よりも、20日間のほうがよりおいしいと言えるでしょう。

適材適所

どのような料理に使うかによって、よりおいしく食べられる部位を選ぶこともひとつです。
固くてあまり好まれないスネ肉も、煮込み料理に使えばコラーゲンたっぷりの濃厚な旨味が出ますよ。

個体識別番号

いろいろと書いてきましたが、スーパーの店頭で全てが判断できるかというと、むつかしいですよね。そんな時知っておいていただきたいのが「個体識別番号」というものです。
日本では、牛の一頭一頭に、「いつ」「どこで生まれて」「どこで育ったか」などがわかる生産履歴がわかるようになっています。
スーパーの牛肉のパッケージには、この個体識別番号が記載されており、「家畜改良センター」のHPに牛の個体識別情報検索サービスというものがあり、10桁の個体識別番号をパッケージで確認すれば、スマートフォンでもその牛の雌雄、月齢なども見ることができるので、活用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

おいしい牛肉を見分けるポイントをご紹介しましたが、その日のメニューに合わせてどの部位を使うかにもよりますし、とにかくご自身のお好みの牛肉はどんなものであるか、意識してどんどん試していってみてください。

また、いつもはスーパーで買い物をする方も、一度精肉店に足を運び、何を食べたいかを伝えてどれがオススメなのか選んでもらって覚えていくことは、よりおいしく牛肉を食べるには良い方法です。時々足を運んでみても良いでしょう。

国産和牛は、柔らかく脂がサラサラとして食べやすい、大喜屋のお肉がオススメです。