皆さんは冷蔵庫から取り出したお肉をそのまま調理していませんか?
少しの手間と時間をかけるだけで、普段のお料理がレストランで食べるような美味しさにレベルアップします!
今回は色々な料理に活用できるひと手間をお教えします!
煮込む時間が長すぎてお肉が固くなってしまったり、お肉の旨味が逃げてしまいお肉自体の味がしなくなってしまうのを防ぎます。
何より一番の長所は、安いお肉でも高級肉みたいな柔らかさに仕上がります。
此処で余談ですが、最近はひと昔前のように「カレーは煮込めば煮込むほど美味しくなる。」という考え方は、少し下火になってきているような気がします。
お肉には種類や部位ごとに適正な煮込み時間があり、それを超えてまで煮込んでもカレーは美味しくなりません。
カレーだけに限らず、シチューも同様すべての料理に共通していえることです。
テレビで観た某ホテルのカレーはコンソメを作って寝かせて3日間、カレーのベースと合わせてカレーソースにしてから寝かせて3日間。
7日目にお客さんに提供するというカレーで、まさに、これぞジャパニーズ・カレーの代表格だ!と感じました。
作り始めてから1週間かかるカレーに込められた執念も大変見事なたまものですが、ここで注目したいのは、1週間かかるビーフカレーでビーフ(牛肉)が登場するのはどのタイミングか!?です。
最初の6日間には出てきません。お客さんに提供する当日にメインの具となる牛肉は調理されるんです。1週間、牛肉を煮込み続けるわけではなく、最初の6日間に必要なのは、ソースを美味しくするための時間なのです。牛肉は必要最低限の加熱でおいしく提供されます。この考え方は、かつてのホテルオークラにも流れていました。
ホテルオークラのカレーは、スープを取るときに使う牛肉は、すべて濾した後に捨て、カレーソースを仕上げます。
お客様から注文が入ると別のステーキ用の牛肉をソテーして、カレーソースと混ぜ合わせて仕上げ、テーブルに運ぶ。
フランス料理店「ラファソン古賀」の古賀シェフがランチに作るカレーもそうです。8時間ほど煮込んでスープを取りますが、ここで使う牛肉は捨てる。
全く具のないカレーソースに季節の野菜や別で調理した豚の塊肉を添えて提供されます。
そこで浮かぶ疑問です。肉を使うカレーは、煮込んだほうがおいしくなると考えがちです。当たり前のような気がしますね。
でも、本当でしょうか。このことを数年前ぐらいから料理の世界では一部の料理人たちが議論している。といわれてます。
というか、もう結論が出ています。お肉は、むやみやたらに煮込まないほうがカレーは美味しくなる。
もちろん、種類や部位にもよりますが。カレーの魅力は長い間、ごった煮が生むおいしさにありました。
お肉や野菜が混然一体となって煮込まれてこそ、おいしくなる料理。それがカレーだったんですね。
でも、たとえば、鶏肉を煮込んだ時にお肉からソースに出る旨味は、他のもので代用することができます。
簡単に言えば鶏がらスープのようなものです。だったら、鶏肉には、スープの旨味と具の美味しさの二足の草鞋を履かせるのではなく、具としておいしい調理方法を追求して、すでにおいしくなったカレーソースと混ぜ合わせて仕上げたほうが絶対いい。
鶏肉をほとんど煮込まずに作ったカレーを食べた料理業界の方が美味しかったので、現在、フードトラック「カレーの車」で2種類のチキンスパイスカレーを作って提供されてます。
鶏肉はほとんど煮込まれていません。下味に塩こしょうをふって、しばらく置き、フライパンで表面全体をソテーする。
この時点で、6割~7割の火が肉に入ります。別で仕上げたカレーソースに入れて、ほんの5分ほど煮るだけ。
これで具の鶏肉は抜群にうまくなる。「カレーの車」の場合は、現場まで運んで温めなおしたりすることを計算すると、一切煮込まなくておいいくらいの感じですが、安全性のこともあるから火を中心まで通してから現場で温めることをなされてます。
鶏肉に頼りすぎないカレー、鶏肉に過度の負担をかけないカレー、鶏肉を煮込まないカレー。
このおいしさにみんなが気づいてくれたらいいなぁと思います。二刀流で成立するのは剣豪.宮本武蔵ぐらいですから!
お肉を煮込まず柔らかくし、漬け込んでから焼いてまんべんなく火が通っていて、美味しく焼きあがるやり方として、いくつか上げたいと思います。
今回は「お肉を柔らかくする」のに効果的だ!という牛乳、梨、玉葱、炭酸で試してみたいと思います。
お肉は常温に戻しておいたほうが、焼くときに表面と中心部の温度差がなくなり、まんべんに火が通り美味しく焼けます。
漬け込む、お肉は一口サイズで行います。
※牛乳の場合
牛乳にはお肉の繊維を分解する効果があるので、お肉が牛乳に沈むのが理想的な状態なので、この状態で30分置きます。
※梨の場合
梨をすりおろし15分ほどお肉を漬け込む、漬け込み過ぎるとお肉がボロボロになってしまうので注意が必要です。
※玉葱の場合
すりおろした玉ネギにお肉を30分程度漬け込む。(お肉を漬け込んだ後の玉葱は、炒め物料理などとして使用することもできるので便利です。)
※炭酸の場合
炭酸の中にお肉を入れるだけで、シュワシュワといいながらお肉が上に浮いてきたら、この状態で15分ほど置いておきます。
※生肉の状態でチェックしたところ、玉葱に漬けたお肉が特に柔らかく、それぞれのお肉に塩、胡椒をして同じ火力、時間で焼いてみたところ、一番柔らかくなったのは玉葱に漬け込んだお肉で、焼き色がついても表面がまったく硬くならずに、とても軽い力で噛み切れました。
あと一歩だったのが牛乳に漬け込んでおいたお肉で、後で知ったのですが、一晩くらい漬け込んでおけば、より一層柔らかくなるそうです。
とはいえ今回ご紹介したものはどの肉もみんな格段に柔らかくなります。
臭いもクセも出ずに、柔らかさだけアップしますし、どれも手軽な方法なので、みなさんも肉料理を作られるときには、一度お試しください!
国産和牛は、柔らかく脂がサラサラとして食べやすい、大喜屋のお肉がオススメです。